◆IWC2017レポート 1日目編
いよいよ審査1日目が始まります。
審査会場に集まった審査員は60名。
イギリス、フランス、オランダ、ドイツ、スウェーデン、スペイン、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージランド、 香港、マレーシア、シンガポールと日本 の14か国から一堂に会します。
IWCの審査の特徴は、1人1人が個人でテイスティングを進めるのではなく4-5人の小グループに分かれてディスカッションを行いながら評価を定めていく点にあります。
審査前日にはSake部門の最高責任者であるCo-Chairmanと、それぞれのグループのリーダーとなるPanel Judge
(パネルジャッジ)が集まり、今年の審査の方式や基準など細かなことを決める会議が行われます。
異なるバックグラウンドを持つメンバーが議論を交わしながら行われるため、時に評価が大きく分かれる
こともありますが、お互いが、その日本酒の持つ良い面をより多く引き出せるようにディスカッションを
リードするのがパネルジャッジの役割です。
原則として5名1組の11グループで審査を行い、各審査員のディスカッション形式で審査は進んでいきます。
不明な点は上級審査員であるCo-Chairmanも加わって確認が進んでいきます。
ここで審査の進行の説明が主催者から行われます。一番大事なことは「黙々と」ではなくリラックスして和やかなムードで臨むこと!と強調され、審査員のパフォーマンスを最大に引き出してもらいたいという思いも伝えられます。
一方で、各人が出す評価は一貫性や最終評価との一致・かい離など細かく評価されて、審査員の力量としてふさわしいかチェックされます。
来年も審査員として呼ばれるかどうかはこのパフォーマンス如何によります。
1日目は、「メダルに値するかどうか」だけが審査されます。
今年は11のテーブルに分かれ、各テーブル/各審査員が担当するのは110種類になります。
スタートは普通種部門から。本醸造、純米系が続き、ランチを挟んでスパークリング、その後に吟醸、大吟醸、古酒へと続いていきます。
スパークリングについては直前まで冷蔵庫で別に保管され、審査の直前に開栓されます。
初日の審査で残念ながらメダルに届かないと判断されたものの、一定の品質に達していると判断された銘柄にはCOMMENDED評価が与えられます。それ以外はOUTという判断がなされます。
審査の過程でOUTまたはCOMMENDEDに判断されたものは、Co-chairmanのテーブルに運ばれます。
そこで再度複数名でテイスティングを行った上でやはりOUTまたはCOMMENDEDと判断されたら、そこで審査が終了です。
若しCo-chairmanがメダルとした方がいいと判断された場合は評価が変更され、翌日の審査に回っていきます。
テイスティングが終了したお酒についてはバックヤードでマスキングの袋から取り出されて
正しく審査されたかどうか、銘柄とラベルとの付け合せチェックが再度行われます。
メダルに値すると判断された場合は、翌日の審査のためのパッキング作業がバックヤードで始まります。
こうして1日目の審査が終了します。