◆2011年度 IWC日本酒部門今後の予定と審査について◆
◆今後の予定◆
トロフィー発表日時: 6月下旬
アワードディナーは9月6日 ロンドン市内 ヒルトン・パークレー
ン ホテルにて開催されます。
トロフィーはカテゴリー毎に選出されます。またチャンピオン・サケは、本
年は各カテゴリーのトロフィー受賞銘柄のなかから、全出品酒のなかから1銘柄
が選出されます。発表は9月6日のアワードディナーの席上です。
酒サムライ・IWC担当代表
佐浦 弘一 Koichi Saura
◆審査報告◆
今年はIWC日本酒部門コーチェアマンの大橋健一氏による審査報告
です。
審査風景はこちらです。
【英国IWC Sake Judge 2011報告】
(株)山仁酒店
代表取締役社長 大橋健一
Co-Chaiman(英国IWC Sake Judge)
清酒専門評価者(NRIB)
DIPLOMA(WSET)
こんにちは。栃木県は(株)山仁酒店の代表取締役社長の大橋健一と申します。
まず始めに、この度の東日本大震災で、実に数多くの業界関係者様が多くの被災にあわれたと聞いております。それらの方々皆さまに、私共も一国民として心よりお見舞い申し上げます。
さて、過日4月19-20日に英国のロンドンで行われましたインターナショナル・ワイン・チャレンジ・サケ・ジャッジ(IWC Sake Judge 2011)の報告を例年通り、日本側のサケ・コ・チェアマンとしてここにさせて頂きます。
今回は2007年から数えて5年目となり、そのエントリーも全部で468銘柄に上ったと聞いています。昨年の409銘柄に比して114%の対前年度比となっており、その順調なエントリー数の増加は日青協さまのご尽力、そして過去に受賞なさった方々の喜びの気持ちと同時にその市場への好影響が少なからずとも影響してのことかと思います。ちょうどジャッジの前日となる18日の夕刻18:00より、パネル・チェアマンの方々の宿泊先となるランカスター・ホテルの会議室にて、翌日からの審査に備えた綿密なミーティングがなされました。そこで、酒サムライ本部ロンドン代表であり、現地英国側のアンバサダーとしてさまざまな調整を担当されている吉武理恵さんとIWC側の事前ミーティングにより決定していたことが、お集まりのパネル・チェアマンの方々、そして日本側のアンバサダーであられる平出淑恵さんに報告されました。全ては審査自体の手法論なのですが、
@ 審査はその対象となるお酒のフード・ペアリングを考慮する形で行わないこと。
A それぞれの審査自体を、その対象となるカテゴリーの枠外のカテゴリーと比較して行わないようにすること。
ということでした。Aは少々難解に映るかもしれませんが、要するに、まず純米吟醸/純米大吟醸カテゴリーの審査を行ったとし、次のフライトが純米カテゴリーだとすると、どうしても前フライトに比べて純米カテゴリーが見劣りして映ってしまうこともあるということを前提としています。それをそのカテゴリー内だけできちんとそれぞれのレベルを頭に浮かべて独立した形で、前後のカテゴリーに影響されずに審査する努力をしてください、ということです。その為、今年は少々の努力が現場でもなされていましたが、まずは純米のフライト、その後純米吟醸/純米大吟醸のフライト、続いて本醸造のフライト、そして吟醸/大吟醸フライト、最後に古酒のフライトとなっていました(来年はアルコール添加酒のフライトを純米のフライトよりも先に行うことを一応提案させて頂きました)。そこでも少々の議論、そして意見交換がなされましたが、私から特に注力させて頂いたことは、昨年のこのレポートにも記させて頂いた通り、生もと系酒母の日本酒の評価がどうしても低くなりがちだった昨年の状況をここで説明し、パネル・チェアマンの方々が各々のジャッジの方々にそういった嗜好や現在多くの酒蔵さんがそういったスタイルの日本酒造りに力を入れてきている現状も、良い意味で伝えて行って欲しい、ということをお話しました。
さて、一日目は早朝9時から始まりましたが、パネル・チェアマンは全部で5名(日本人は日本酒造組合中央会の高橋利郎先生、横浜君嶋屋の君嶋哲至社長、欧州人としてオランダからヤン・フォン・リッサム氏、そしてスウェーデンからオケ・ノードグレン氏、そしてアメリカからボー・ティムケン氏)でしたので、必然的に5つの審査テーブルが用意されていました。それぞれのテーブルに基本的には3人のジャッジが付いて計4名のグループとなり、その総数で日本人のアジアン・パレット、そして外国人のウエスタン・パレットが均等になるように配慮されていました。そして別テーブルにオランダからのサイモン・ホフストラ氏、そして私、大橋健一がサケ・コ・チェアマンとして存在し、5名のパネル・チェアマンさん達の各々の審査結果が我々の下に届き、それを我々2名で再審査するという従来と全く同じスタイルで行います。合計468銘柄なので平均すると1審査テーブル毎に94銘柄を審査することになります。そして1日目は合計5ランク存在するクオリティ・レベル(上からGold Medal, Silver Medal, Bronze Medal, Commended, Out)の内、Medalにランクインするか?それともCommendedか?またはOutか?それだけをチェックしてゆきます。要するにMedalの内容にまでは触れずに、M/C/Oのみの3レベルでの評価をしてゆくわけです。パネル・チェアマンの方々はその3レベルで日本酒を評価し、その後我々コ・チェアマンのテーブルに、その中でCommendedとOutに評価された日本酒だけが送られてくるのです。そして我々は、その2つの下位ランクの中でMedalに相当しているものが漏れていないか?を審査し、もし漏れていたらもう一度翌日にチャンスを残すべく、Medalとして再評価して、翌日のMedalテイスティングに持ち越すのです。すなわち我々はセイフティ・ネットの役割を演じる訳です。
さて、一日目はどのような模様だったでしょうか?
1) 日本人パネル・チェアマンさん達が外国人ジャッジの方々に積極的に、そして親切に日本の手法や伝統を伝えるシーンが多くありました。
2) 中にはやたらに評価が厳しいテーブルもあり、テーブルごとに評価に対する厳しさにおける少々のレベルの差が散見されました(もちろん事前に評価レベルは説明してありますが、IWC自体が主観が入らないテイスティングは存在しないという意見を前提としている為、基準がやや抽象的であることも事実です)。ちなみに以下にIWC側が提示している各ランクの基準を英語のまま記したいと思います。
→Out: Can not recommend for your friends,
→Commended: Very good Sake, clean, correct but lacking personality and class. Should still be a good ambassador for Sake.
→Bronze Medal: Very fine Sake with fine balance and character,
→Silver Medal: Prized Sake of exceptional quality with superb balance and extra harmony,
→Gold Medal: Sake with special personality and character. Sublime balance and finer texture, more precise than Silver.
そしてもちろんそうして低い評価となってしまった日本酒は、数多く翌日のチャンスを与えるべくMedalに昇格させて頂きました。
3) 各々のパネル・チェアマンさんからも随分と指摘が挙がってきたのですが、カテゴリーから外れていると思われる日本酒が随分とありました。その例として「あまりにも香りが高い本醸造酒、そして純米酒」、「古酒の色調を軽く呈し、更に古酒の複雑性を備えた純米酒」が挙げられます。その際、一お客様の立場になり、(もちろん各々の蔵元さんの個性もあるのでしょうけれど)そのカテゴリーの一般的な例として当てはまらない場合は、検討の上で「典型的でなく、お客様が狙って購入しようとするカテゴリーの一般的なサンプルから少々外れる」という理由で一ランクやむなく落とすことも検討しました。これが昨年も指摘させて頂き、IWCコ・チェアマンのサム・ハロップMW氏の意見でもあります。
そしてここからはコ・チェアマンとしての感想になりますが、各テーブルを頻度高く回り、それぞれのテーブルのレベル差の現状に関する意見具申を行ったり(もちろん一つのテーブルにだけ偶然にレベルの高いお酒だけが供出され、結果的にそのテーブル全体のレベルが高くなっている可能性があることも否めませんが)、その他、テイスティング・スピードを管理したりもしています。あと、純米カテゴリーが先に来ると、その後に続くアルコール添加のカテゴリーにおける醸造用アルコールのインテグレーションの評価に少々難がある印象も感じました(まだ十分なハーモニーを呈していない日本酒も散見されたということです)。これはウエスタン・パレットのコ・チェアマンであるサイモンとも少しだけ話をしましたが、ある程度のバランスが取れていれば(!)、それは一つの調和に向かうステージにおける若い段階での表情であり、将来的にはより高い評価が望めるということで、我々のテーブルで敢えて減点の対象にはしていません。来年そのカテゴリーのテイスティングの順序に若干の変更を加えれば十分に対処できることと思えます。参考までに、ワイン業界では毎年春先に行われるプロフェショナル向けのテイスティングで高評価を得ようと(特にインテグレーションを考慮して)、発酵終了後のワイン、もしくは発酵中のワインに様々な人為的手法が加えられることが常識的になっています。そうした中にもそのような人為的手法を排除して春先にはまだまだ固く閉じてテイスティングしづらいワインを供出してくる生産者も存在しているわけで、そうしたスタイルのワインの真価も同時に探る事が出来なければならないわけです。
さて、1日目の結果ですが、私がテイスティングした日本酒113銘柄の内(この113銘柄は全てOut、もしくはCommendedとして送られてきたものです)、Medalに昇格させたものが33銘柄ありました。サイモン氏側の数字も計算に入れると、当日Outが確定した銘柄数が48銘柄で10.3%、Commendedは132銘柄で28.2%となりました。この時点で468銘柄から48+132銘柄を引くと288銘柄となり、全体の実に61.5%が翌日のMedal候補となったことを意味します。この結果を受けて高橋先生もおっしゃっていましたが、今年の日本酒のレベルは非常に高かったということでした。しかし一方で、翌日から3テーブルに分かれてこの288銘柄もの日本酒をテイスティングせねばならず、それも午後にはトロフィーを決定する為のテイスティングが控える為、午前中に実に96もの銘柄の日本酒の審査が行われることになります。
さて、二日目です。二日目の午前中は288銘柄もの日本酒を審査しなければならない為、コ・チェアマンのサム・ハロップMWの指示の下、3テーブルを用意して審査が始まりました。1つのテーブルには必ず最低1名のパネル・チェアマンが配置され、その他2名のジャッジが同テーブルで審査を行いました。その際、2名のパネル・チェアマンが付く2つのテーブルは、必ずアジアン・パレットが1名、ウエスタン・パレットが1名という配置になります(先述の通り、パネル・チェアマンは全部で5名になるので)。この日は前日にMedalに審査されたものだけをテイスティングする日になりますが、もちろんMedalに相当しないと判断されたものはこの日新たにCommendedに格下げされることもあります。少人数でのテイスティングなので実に円滑に審査が行われてゆきますが、この日は基本的にパネル・チェアマンが各々の日本酒にコメントを書き入れて行かねばなりません(5月に発刊になるリザルト・ブックに掲載となる為)。その後、各々のテーブルで審査された日本酒「全て」が我々コ・チェアマンのテーブルに送られてきますが、我々はその結果を吟味しながら更にコメントを付け加えてゆきます。サム・ハロップMWから私達に与えられた職務の内、このコメントの記載というのは大きなウエイトを持っており、実際288もの銘柄を二人で分業して午前中の内にテイスティングを済ませ、更にそこにコメントを加えるというのは容易ではありません。更にGold Medalで審査されてきたものをSilverに格下げする場合や、Silver Medalに審査されたものをGold Medalに格上げする場合はお互いのコ・チェアマンには打診をせねばならず、各々Gold Medalに輝いた銘柄にはオレンジ色のシールをタグに貼ってサム・ハロップMWに意見具申の最終チェックを行う周到ぶりです。その為、1日目より2日目はサム・ハロップMWは実に20分程度ごとに我々のテーブルに来て各々が審査した日本酒を頻度高くチェックしていました(彼は自分の職務として200銘柄/日のワインを審査する仕事を抱えているにも関わらずにです)。そしてこの日は実に数多くのMWが私のところにGold Medalの日本酒というものがどういうものなのかを知る為にテイスティングに来てくれました(隣の会場ではIWCのワイン審査が彼らを中心に行われています)。ちなみにベルギーのブリュッセルにあるEU本部勤務のスペイン人MWであるペドロ・バレステロス・トーレス氏は一つのGold Medal受賞酒をテイスティングして、「こんな素晴らしい日本酒には出会ったことがない!」と大変感銘を受けていました。そういう意味でもこの審査のプロモーション的な意味合いは大きいかと思います。
この日審査を行った銘柄で大きなジャンプ・アップ、ジャンプ・ダウンはほとんどありませんでしたが、出品された方々にとって一番大きいことはMedalからCommendedへの格下げとなるでしょう。実際に我々のテーブルではその日Commendedに再格下げとなった銘柄は62ありました。我々がその日審査した銘柄は288でしたので、実に一日目にMedalと審査された全体の21.5%がこの日Commendedに格下げになった計算です。そして本年度2011年IWC Sake Judgeの各メダル総数の結果のみをここに発表いたします。
Gold Medal: 30銘柄(6.4%)
Silver Medal: 87銘柄(18.6%)
Bronze Medal: 109銘柄(23.3%)
※我々のテーブルで「正」の字を書いての手計算になりますので、若干の誤差があることをご考慮願います。
この数字は例年よりも飛躍的に高い数字になっており、昨年は私の記憶ですとGold Medalが3.4%しかありませんでした。実に倍近い比率でGold Medalが認定されたことになりますし、おおよそ10%が尺度とされているSilver Medal, 15%のBronze Medalも事前の尺度よりも遥かに高い数字となりました。
さて、その後昼食を挟んで午後のトロフィー審査となります。各々のカテゴリーに分けたGold Medalの中での頂点を決める審査となり、この審査はサム・ハロップMWの先導の下、2名のコ・チェアマン、そして5名のパネル・チェアマンが参加して各カテゴリー内のGold Medalに序列を付けてゆきます。その序列を総合して最も評価が高い日本酒が「トロフィー」とされるわけです。1位と2位が僅差で拮抗した場合、その2位に「リジョナル・トロフィー」の認定が可能かどうか、全員に打診され、そこで大方の合意が得られれば晴れて2位銘柄はリジョナル・トロフィー受賞となるという仕組みです。ここで細部を説明させて頂きますが、ここに「リジョナル」という表記がありますが、我々にはこの審査中、その日本酒がどこの県で醸された日本酒かは全く明かされておらず、午前中に審査したGold Medalの日本酒も更に我々が判別付かないように別のタグが付けられています。ですからリジョナルとは言いますが、このリジョナルは「生産県の特徴を上手に表現した」という意味ではなく、「日本という一つ国を代表するに足りる、しかしトロフィーに準じる」という意味合いだと思って下さい。
ここで各々のカテゴリー内でトロフィーが決定すると、その後更に「チャンピオン・サケ」の審査に入りました。それぞれのカテゴリーのトロフィー受賞酒、全5銘柄の中でたった1つのチャンピオンを選出することになります。そして無事、そこでチャンピオン・サケの選出も終了しました。
さて、ここで今回の傾向を少しお話します。特に2日目の午後の審査ですが、まず始めの純米でのトロフィー選出、これは大体の意見が一致した形でした。というのはほとんどの審査員が1位、もしくは2位にした銘柄がトロフィーを獲得していたというものです。そして大変ユニークなのが次の純米吟醸/純米大吟醸です。このトロフィー選出はアジアン・パレットとウエスタン・パレットが大きく分かれました。具体的に言うと、我々が日本人側がトップや次位に審査したものが外国人では最下位に審査されたり、逆もまた起こっている訳なのです。特にウエスタン・パレットは香りの比較的高いスタイルを好んでいたかと思います。続く本醸造での審査は各々審査員の印象が実に多彩でバラバラでした。要するに本醸造トロフィーは各々のジャッジの点数が均等近くそれぞれのGold Medal酒に分かれてしまう為、点数的には僅差による認定になったことを意味します。そして吟醸/大吟醸は下位銘柄はほぼ一致するものの、上位には差が見られる結果でした。やはりここでも外国人は香りを高いものを評価する傾向にありました。最後の古酒カテゴリーも日本人と外国人で意見が分かれたところです。外国人ジャッジはサム・ハロップMWも含めてワインの専門家が多く、とかくVA(volatile acidity)には敏感になります。それをバランス内、バランス外に置くかは個人の裁量として、全員が特に自分の官能内での「バランス」を重視していたかと思います。そしてチャンピオン・サケの審査ですが、これもバラバラに分かれました。この最後の審査は別々のカテゴリーを一つの土俵で審査する為、特に個人の好き嫌いが他の審査に比べて強く反映されることかと思います。もちろんカテゴリー内における絶対的(?)位置付けをなるべく考慮しての審査となりますが、ある程度は仕方のないところなのでしょう。
こうして2日に渡る全ての審査が終了しましたが、エントリー数が増えたこともあってかなりタフな審査であったことは間違いありません。とは言え、我々の頭にあることは
「エントリー自体が遠い日本から英国までのコストを含めた、決して安いものではない」ということであり、それを常に考慮しながら1本1本を真剣に当たっていることです。もちろん各テーブルにおいても、もし審査している日本酒が明らかに状態が悪く、更に「その1本だけが」不遇に劣化していると判断された場合には別のボトルに取り変えて審査をするシーンも散見されたこともここにご報告させて頂きます。
これら全ての審査の終了後、あわただしく18:00から私を先頭レクチャラーとする「サケ・マスター・クラス」が始まりました。実に109名の参加者となり、これは今までの最高人数となります。参加者の中には数名のMWもおり、特にMW業界ではテイスティング教育での第一人者となるスーザン・ヒュームMWの姿も見られました。私のレクチャーはIWC側からの指示の通り「Return to the Basic」という表題となり、とにかく「日本酒の醸造手法は外国人には少々難解に映る為、それを段階的にもう一度最初から分かりやすく解説して欲しい」という要望に応えたものです。今回このマスター・クラスにご参加頂いたジャーナリストの方々の様々なコラムやレポートが今後審査される形となり、最も貢献度の高かった方を日本へ招待するという企画に応えることになります。レクチャーの中では5種類のテイスティングがありましたが、そのテイスティングは全て昨年のトロフィー受賞酒を使用し、それらが全てIWCのトロフィー受賞酒であることがもう一度ここでアピールする形を取ります。それぞれの受賞酒の県の食産物の情報等も織り交ぜながら典型的なカテゴリー代表酒として、そしてもちろん素晴らしく高品質な日本酒としてここでもアピールさせて頂きました。そして酒造組合の義援金口座に関する案内もここでさせて頂く形を取っています。続くボー・ティムケン氏のレクチャーでは、外国人から見た日本酒のイメージや現在の(震災後)の日本酒業界の状況を外国からの視点で説明したりという内容で(主として物流状況のお話がありました)、第一部とは全く視点が違う内容で大変盛沢山に感じました。そして最後の質疑応答も実に活発な意見が飛び交いましたが、供出温度に関する質問であったり、赤ワイン好きの方にお勧めするならどんなタイプの日本酒がお勧めか?という質問であったり、お米の品種によって日本酒の味わいが劇的に変わるものなのか?という質問であったりと、様々な内容でした。現在のような日本が震災後の大変な状況下においてでも、日本酒は今後伸び続けて行けるのだろうか?みたいな意見を受けて、パネル・チェアマンの一人であるオケ・ノードグレン氏が「少なくても私は絶対に日本酒を飲み続けるし、啓蒙に努めて行く!」と力強く言って頂いたことは大変頼もしく映りました。そして最後にIWC主催者であるウイリアム・リード社の社長であられるアンドリュー・リード氏が、年代物のシングル・モルトのオークションを自らが楽しい演出で行い、それを落札した方からの代金を我々へのチャリティーとして頂くような、素晴らしい演出で幕を閉じました。
以上、つたない報告となりましたが、今後も日本酒業界発展の為に可能な限り尽力させて頂く所存です。今後ともよろしくお願いいたします。
|